男を上げる研究所

「男を上げる」というキーワードを研究対象とし、「理想の男」を目指して未来を拓く事を目的とした研究所

クラスメイト~学園のマドンナに会いに(前編)

先日、同窓会への参加はアリかナシか、のようなやり取りを

桐崎美玲 (@nagoya_de_) | Twitter

さんとTwitter上でする機会がありました。

 

 

それをきっかけに、少し前にかつて学園のマドンナ的存在だった女性と再会した経緯をブログに書こうという気になり、書いてみました。

 

前編と後編の2部構成となってます。

 

暇つぶしに読んで頂ければ幸いです。

 

※  ※  ※  ※  ※

 

「ムカつくー」

「まぁそう言うな」

 

何回目だ、この会話も。

 

そう心の中で苦笑いしながら、俺は彼女のワンピースのファスナーを上げてやる。うん、綺麗なうなじだ。この上質なワンピースも、医師である旦那さんのカードで支払ったのだと思うと、少しは丁寧に扱わないとなと目を細めた。

 

 

一緒にいるのは同級生でありクラスメイトだ。お互い結婚もして子供もいる。世間では不倫した芸能人がマスコミやSNSで叩かれているけど、このホテルの一室では不倫は二人の秘密の合言葉だ。

 

ー3か月前の再会から、思ってもないような急転回

 

この歌の歌詞が現実のものになるなんて、俺も彼女も予想なんてできなかった。

 

彼女は結婚した今も新卒からいる会社で継続して働いている。仕事内容は人材派遣の営業を取りまとめるマネージャー、名前は「良美」だ。

 

はっきりいって、彼女は学生時代はモテてた。俺の同級生たちも彼女の名前と顔と身体にいつも夢中だった。そんな彼女は俺を含めた童貞たちのキモい目線なんて気がつきもせず、異様な魅力を振りまきつつ1つ上の先輩と付き合っていた。

 

古い言葉を使えば、彼女は「学園のマドンナ」だった。一応共通の友人も何人かいたので、彼女とは校内や校外で会えば軽く挨拶するくらいの仲ではあったのだが、仲良い友達以下、ぐらいの認識だった。特に向こうは。

 

そんな彼女とも大学を進学すると同時に疎遠になっていった。何年かして、風の噂や流行りのSNSで彼女が結婚し子宝にも恵まれて、女として順風な人生を送っていると知った。でもその時は俺も彼女同様、結婚し子供もいて、ささやかな幸せを感じながら生きていたので、彼女の事はスマホのホームボタンを押すと同時に頭の中からフェードアウトさせた。。。

 

再会

 

「ねえ、後腐れの無いいい男紹介してよ!」

 

鬼気迫る感じで、友人の商社子は俺に迫っていた。酒に酔うとこんな感じになるなんて知らなかったな。相手が酔うと自分は冷静になれるのは何故だろうか、といつも不思議に思う。

この日は1月3日。まだ箱根駅伝の優勝校が決まる前から、俺は同級生の女友達2人と昼から酒を飲んでいた。

目の前で俺に絡む商社子(有名商社勤務だから)も既婚。もう1人のJ子(元Jリーガーと学生時代に付き合っていたから)も既婚の友達だ。J子は酒が飲めないのでソフトドリンクを飲みながら、商社子が俺に絡む様を笑いながらなだめていた。

 

「そんなに男が欲しいのか?」

 

「私は今したいことをしたい。人生後悔したくないのよ。今の旦那とも離婚する。その準備も進めてるし、子供にもちゃんと伝えてる」

 

商社子は昔から頭がよかったけど、勉強から得たであろうその合理的思考がこのような形で露呈するとは皮肉なものだ。全く、今したい事が「後腐れのない男と寝る」ことだなんて、もっと他にあるだろう?

 

「わかったよ。俺も何人かに声かけてみる」

 

横でJ子が、

「私も参加するね。商社子を見張らないとね!」

 

女は建前が好きだ。その飲み会に参加する=男に抱かれたい、という等式が成り立つのだが、なかなか堂々とは言えない。J子も日々の仕事と子育てに追われる単調な日々にひとつまみのスパイスが欲しいのだろう。やれやれ。

 

「わかったよ。4:4くらいで段取りしてみよう」

「ありがとー。絶対だよ!とりあえずカンパーイ!」

 

2本目の赤ワインをなみなみ注いだワイングラスを、俺たちはカチンと合わせた。

 

※  ※  ※  ※  ※

 

「場所わかる?」

「ごめーん!5分だけ遅れる!」

「ゆっくり来いよ」

「綺麗どこ揃えたからね♡」

 

3月中旬を過ぎた金曜日、商社子とのLINEを俺は男友達3人と渋谷の某イタリアンバルで確認し合った。テーブルには8人分の皿とグラス。合コンなんて何年ぶりだろう。しかも幹事同士は同級生で互いに既婚。参加者も全員既婚。会の目的は「大人の出会い」。ずいぶんアダルトな人間になったものだとひとりごちる。

 

…だが、正直俺は少し浮ついていた。女性参加者の1人が、あの「学園のマドンナ」と知っていたからだ。

 

「ねー、良美知ってる?」

 

幹事の商社子だ。飲み会を数日後に控えていたある日の夜、こんなLINEが来た。

 

「良美、知ってるよ」

 

「今回声かけたらソッコー返事きたよ笑」

 

「へー、そうなんだ」

 

「美人も召集しないとね。んじゃ当日よろしくねー」

 

体の関係も匂わせる飲み会に、良美は即レスしたようだ。へー、夫婦関係うまくいってないのかな。

そんな事を思いながら、俺は仲のいい美容師にLINEをし、明日に予約ができるかどうかの確認をし始めたのは言うまでもない。

 

「おまたせー!遅れてごめんね!」

 

15分遅れで女性陣は店に到着した。ひときわ背が高く、綺麗にカールされた茶色いロングヘアーをなびかせている女性が目に入った。良美だ。

 

「久しぶり。卒業以来だよな?」

 

「えー、一度大学の時に西麻布のクラブで会ったよー」

覚えていない。

 

「そうかな?つーか、変わらないね」

 

「あなたもね。」

 

彼女の目をじっと見ながら、なるべく声が高くならないよう意識しながら話をした。良美は笑顔だった。飲み会のために着飾っているせいか、彼女はとても上機嫌だった。こちらも少しでも見た目向上しようと昨日頑張った筋トレの筋肉痛が心地いい。

 

「今日は楽しく飲もう。カンパーイ!」

「カンパーイ!」

 

24時間営業という珍しいイタリアンバルで、食事もそこそこに8人は飲んでおしゃべりを楽しんだ。互いに今日の飲み会の趣旨は知っているはず。心なしか、女性陣のガードが固く感じる。欲求不満の安い女に見られないためか。女は建前が好きだ。まぁいい。幹事の役目は果たした。後はこの場を楽しめばいい。

 

女性陣の4人中3人は俺の同級生だ。商社子、J子、そして良美だ。俺にとってはある意味同窓会みたいなもの。何てことはない。飲んでおしゃべりをして、電車で帰るだけ。後は参加者の意志に委ねるのみ。

 

乾杯のビールがワインに変わり始めた。互いの自己紹介も終え、段々と身の上話に移行する。夫婦関係の事、子供の年齢、婚外恋愛の経験…夜の酒は大人を裸にしていく。

 

途中には席替えももちろん実施する。大の大人たちが幹事である俺の指示のもと将棋の駒のように動く。なぜか皆迅速かつ忠実に移動するのは、やましい下心のせいなのか。

 

おっといけない。二次会の場所確保も幹事の仕事だ。皆が盛り上がる中、隣の店へ空席の確認しにいった。答えはOK。なんか今日は段取りがスムーズだ。気分がいい。

 

元の店に戻る時、別のテーブルで女性3人がメニュー決めで悩んでいた。

 

「ここ初めてなの?それならこの前菜盛り合わせがオススメだよ」

 

「えー、そうなんだ!ありがとうございまーす。てか、お兄さんだれ?笑」

 

初対面の女性にもちょっとしたトークがオープンする。更に気分がいい。万能感が身体中を駆け巡る。

 

「ねえ、チャラいよー」

 

「困った人を助けるのがチャラいのか?」

 

席に戻るとその一部始終を見ていた良美がチャチャを入れる。だいぶ酔っているようだ。だめだだめだ、今日は同窓会なんだぞ。脈ありサインが出ていてもここは軽く受け流す。

 

6本目のワインが開く頃、そろそろ場所の移動だ。隣のスペインバルへ全員移動。全員だ。つまり、女性陣も二次会への参加に何の躊躇もない。

改めて思い出した。今日は金曜日だ。

 

何が起きても変じゃない。そんな時代さ。覚悟はできてる。

 

こんな歌詞が頭に浮かんだ頃には、二次会の乾杯が終わっていた。

だいぶ酔った頭で、もう一度状況を把握してみた。

商社子、良美、編集子(4人目の女子。編集社で働くバツイチ)は頬を赤めて各々参加した男性陣と会話を楽しんでいる。男女の距離もかなり近い。酒の飲めないJ子は、一口だけノリで飲んだワインで少し気分が悪そうだ。

 

潮時かな。

 

「さて、J子が気分悪そうだから俺はタクシー乗るまで送ってくよ」

 

「わかったー。J子、大丈夫ー?」

 

「おう、気をつけてな」

 

男性陣も女性陣も、皆が快く俺の判断の後押しをする。やれやれ。邪魔者は帰りますよ。

 

自分の飲み代をテーブルに置いて、俺はJ子を連れて店を出た。

 

春もそう遠くない3月の夜風が気持ちいいのは、気のせいではなかった。

 

(後編へ続く)