男を上げる研究所

「男を上げる」というキーワードを研究対象とし、「理想の男」を目指して未来を拓く事を目的とした研究所

今より幸せになるたった1つの事ー【書き出し小説】を読んで

先日Twitter上でとある書籍に興味が沸いた。

 

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書き出し小説

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たまに落書きのようなブログを書いていると、「他の人はどんな記事やネタを書いているのだろう」と色んなブログを徘徊する機会が増えるのだけど、ある一定数の記事に目を通すと1つの法則が有ることに気がついた。それは、

 

 

最初の書き出しが上手だと、一気に記事に引き込まれる

 

事だ。

 

今や若い世代に絶大な人気を誇る【back number】のVo.清水依与吏氏も、テレビのインタビューで「歌い出しの歌詞が決まると、あとは一気に詞が書ける」と言っていた。それぐらい、1つの曲や記事、物語を作る時の冒頭部分が大事だということだろう。

(あいにくこのインタビューの動画はyoutubeでは削除されてました涙)

 

とまあ、最初のワンフレーズに対して一人で勝手に魅力を見出し始めていた時に、ちょうどこの本に出会ったのである。早速購入し、読んでみたので今回はその感想をサクッと書いていこうと思う。

 

お笑い書籍だった

 

この本、お笑いでした。文字制限こそないものの、架空の小説を頭に描きその冒頭部分、つまり書き出しを一般の人々から応募し、面白いものを集めた内容であった。

 

例えばこの作品。

 

製麺なんだろう。打っているところを見せなさい。教授の怒号が店中に響いた。

(自由部門・no-dash 作)

 

 

恐らくとあるラーメン店。乾麺にしては美味すぎる。やがてその評判はラーメンの何かしらを研究する教授の耳にも入り、いざ実食。やはり乾麺ではない。これは製麺か?疑問を持つと夜も寝られない教授。何も答えない寡黙な店主…。ついに教授が口を開く…。

 

と、勝手に読み手にストーリーを想像させてしまう魅力と、トンチンカンな背景や状況を勝手に頭の中で映像化しクスリと笑ってしまう。

 

こんな感じの「書き出し小説」がたくさん掲載されているのだ。

 

勝手にベスト3

 

その中で私自身が勝手にBEST3(読みながら声を出して笑ってしまった作品3つ)をここに挙げてみよう。

 

3位

恩田さんは身体を前のめりにして「そのバーは照明が薄暗いのかい?」と聞いてきた。三十五にして初デート。応援してあげたい。

(自由部門・kossetsu 作)

 

解説

これだけの文章で、恩田さんのモテなさがこれでもかと伝わってくる。三十五にして初デートの人間ならば、紹介されたバーの照明の照度を気にする前にもっとやるべき事がたくさんあるだろうと思わず憤ってしまうほど。それでも、恩田さんの人柄により紹介者がなんとかいい店を紹介してあげたいという優しさがひしひしと伝わってくる。恩田さん、がんばれ。

 

2位

「このガマ乗りにくいわね」女は不機嫌そうにそう言った。

(規定部門【忍者】・夏猫 作)

 

解説

忍者をテーマとした作品。

まず恐らくデートであろう状況に、忍者らしくガマガエルで迎えに来た男。前日夜遅くまでガマガエルのメンテナンス(餌やり、水洗い、座り心地、匂い等)に精を出す男忍者の姿が容易に想像出来る。だがそんな努力は高飛車な女くのいちに一蹴されてしまう。さすがにデートで忍術は使えない。いつの時代も女に媚びる男は下に見られる。それは忍びの世界も同じ理。乗りにくいガマガエルの背中で男忍者は何を思うか。

 

 

1位

視線を交わしあえるのは、いつも土俵の上だけだった。

(規定部門【ボーイズラブ】・たま 作)

 

解説

ボーイズラブ、男性同士の性愛をテーマとした作品。

相撲界という超閉鎖的社会、暴力や虐待、実力主義、階級制度、部屋制、伝統やしきたり、やはり格闘技という性質など、しばりを挙げればきりがない世界で出会ってしまった二人の力士。自由に逢瀬を重ねることもできない。いずれは好敵手となる運命。それでも相手を思う気持ちは捨てきれず、土俵の上だけで本当の思いを視線に託して通じ合う。

数あるボーイズラブの設定の中で、角界を選択した意外性と恐らく成就しない悲しい恋の結末をたった一文で表すセンス。力士=馬鹿でかい体躯、汗臭さ、およそ美男子とはにつかわないであろう二人の容姿を読み手に勝手に想像させてしまう。面白くて、深い。

 

他にも多くの作品が本書には掲載されている。どの作品も想像力を大いに掻き立ててくれる魅力的な作品ばかりなので、気になる方はぜひ一度手に取ってみてはいかがだろうか。(ツボに入ると爆笑する可能性もあるので、電車の中やカフェなど公共の場で読む際は自己責任でお願いします。)

 

想像力は人生を豊かにする

 

上記の見出しのような事を今回この本を読んで思った。

 

たった数行の文章でも笑ったり、深いなと唸ったりできる人生と、物質主義でなんでもかんでも五感で体感しないと満足できない人生。もちろん後者を選ぶ人もいるだろうし、現代においてインターネットやスマホなどの文明の利器の恩恵を否定してしまうのももったいないとは思う。

 

それでも私は前者のような、想像力があれば人生は今より少しだけ幸せになることを説いていきたい。想像力は、人間にとって大なり小なりの幸福を感じるためには必要かつ大事な要素なのだ。

 

以前も想像力についてこんな記事を書いていた。

日本にいながら非モテを感じる事は、想像力を働かせれば実は幸せだという内容だ。

 

man-labo.hatenadiary.com

 

想像力が豊かであれば、まだ見ぬ国や地域にも行けるし、空想の世界にだって旅立てる。

 

世の中には色んな人がいること、

 

過去の歴史から先祖に想いを馳せること、

 

これから来る未来に夢や希望を見出すこと、

 

今の自分の人生が実はそんなに悪くないこと・・・

 

想像力はこれらを気づかせてくれる。どんな人にだって与えられた脳のデフォルト機能だ。それを使わない手はない。お金かからないしね。

 

何気ないけど、ちょっと考えるだけ、ちょっと想像するだけでもクスリと笑える人生を送ることができる。そんなことをこの本を読んで気がついた。

 

文字の魅力というか、奥深さというか、算数や数学にはない国語の未知なるポテンシャルにまたまた魅了され、さらに読書や活字が好きになったのが今回の収穫でした。

 

おわり