男を上げる研究所

「男を上げる」というキーワードを研究対象とし、「理想の男」を目指して未来を拓く事を目的とした研究所

非モテ回顧録~あの時僕はモテなかった その2 食い逃げ編

「あのー、すみません」

「はい?」

「今、何℃か分かります?」

 

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これが僕らの最高傑作だった。

 

 

非モテ回顧録~あの時僕はモテなかった その2 食い逃げ編

 

1997年、街は次の年に行われるフランスW杯に日本が初出場することに浮かれていた。それは僕らも例外ではなかった。

 

コギャル全盛期のこの年、大学生だった僕は友人といつも夜の渋谷センター街の入り口に立っていた。

 

目的はもちろんナンパだ。この時の僕らにはお金はなかったけど、よくわからない自信と、そして際限なく身体の内から溢れ出てくる性欲で常にパワー全開だった。

 

当時は恋愛工学のようなテクノロジーなんて一切知らなかったし、とにかく当たって砕けろ、第一声で笑ってもらえて足を止めてもらえれば何とかなる、と思っていた。

 

例え女の子と盛り上がっても、その後の展開もぶっつけ本番だった。よく行く居酒屋やカラオケ、手持ち予算、トークの展開、友人とのセパレートのタイミング、ホテルまでの導線・・・何一つとして計画性なんて持ち合わせておらず、とにかく女の裸を拝みいきり立った自分のムスコをすっきりさせる事しか考えてなかった。

 

冒頭の会話は僕が友人と必死になって編み出した鉄板オープナーだった。

 

ナンパの声掛け=「今何時ですか?」

 

という、暗黙の了解が当時にはあった。でもこれではあまりにも面白くなさすぎる。ナンパに必要なのは笑いだ。とにかく「エッ?なになに?」と女の子に興味を持ってもらわないことには話にならないと考えていた僕らは、

 

「時間じゃなくて、気温を尋ねてみよう」

 

という突拍子もない結論を出し、それを自分らの血と肉にするまで徹底的に使い込んだ。

 

「すいませーん。今何℃かわかります?」

「えー、何度だろう・・・。わかんない」

「だよねー。じゃあ、こうしよう。僕らは今何度か分かってる。もしせーのでキミたちが体感温度を言って、正解なら友達になる。もし間違えたら罰として一緒に俺らと飲みに行く、でどう?」

「えー、なにそれw」

「いいからいいから」

「んーと、18℃くらい?」

「ブー!正解は20℃でしたぁ。んじゃ罰ゲームとして一緒に飲もう!」

「アハハ!つーか分かるわけなくないw」 

 

と、こうしてみたら小学生のギャグかよと突っ込みたくなるくらい強引かつチープなオープナーだったけど、確か連れ出し率は10%くらい(10組声かけたら1組くらいは飲みに行けた)だったと思う。要はナンパのきっかけなんてなんでもいいってことだ。

 

とある日、僕はいつものように相棒Sと、もう一人の友人Aと3人で渋谷センター街にたって女の子を物色していた。

 

すると、スクランブル交差点を渡ってきた女性3人組が目に入ってきた。容姿は中くらいだが、年上っぽくてノリが良さそう。迷いもせず僕らは一気に彼女たちに近づいた。

 

「すいませーん。いま何℃かわかりますか?」

 

******************

 

10分後、僕らは宇田川交番前にある千歳会館というビルの8階にある「レモンハウス」という居酒屋にいた。「いま何℃ですか」オープナーが無事に炸裂したのだ。

 

「カンパーイ!」

 

ナンパが成功したという達成感もあり、僕ら男性陣3人は有頂天になっていた。このレモンハウスという居酒屋はコスパが非常によく、その後の展開(カラオケやホテル)の予算も充分に頭の中で計算できていた。

 

90分程楽しく飲み、僕らも彼女たちも次の展開を意識する雰囲気をお互いに感じていた。

 

「ちょっとアタシたちお手洗い行ってくるね」

 

と、彼女たちは3人でトイレへと消えた。

 

 

僕「おい、次どうする?」

S「カラオケ行くか、もう一軒飲み直すか」

A「あまり無駄な出費はしたくないな」

僕「まだ時間も22時だ。ここはカラオケでもう少し飲もう」

S「OK」

A「わかった」

 

 

阿吽の呼吸で次の展開が決まった。日本の政治もこのくらいのスピード感を持って欲しいものである。

 

あとは女の子たちがトイレから帰ってくるのを待って、2次会を打診するだけだ。僕は飲みかけの不味いモスコミュールを一気に喉へ流し込んだ。

 

10分後。

 

「・・・遅いな」

 

15分後。

 

A「・・・なんか嫌な予感がするな」

S「ちょっとトイレ見てくるわ」

 

タッタッタ。Sが小走りでトイレを確認しにいった。

 

すぐにSが猛ダッシュで帰ってくる。

 

S「やられた・・・」

僕「え?何が?」

S「いない。トイレにあいつらがいない」

 

 

 

 

 

 

 

 

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A「は?だってまだ会計終わってないじゃん」

S「トイレから出てきた女の子に「中に連れがいるんですけど」って言ったら、「アタシしかいなかったですよ」だって。」

僕「じゃあ、バックレか?!」

A「食い逃げだ・・・」

 

そう、つまらない何℃ですかオープナーで連れ出した彼女たちは、我々が有頂天になっているのを横目にこっそり店を抜け出していたのだ。

 

生まれて初めて女性に食い逃げされた。ショックだった。男のホームレスや金欠オヤジならまだ分かるけど、普通の女の子も食い逃げするという事実がウブな僕の胸を切り裂いた。渋谷という街の闇を見た瞬間だった。

 

僕らはただ目の前の伝票20,000円の数字を見つめることしか出来なかった・・・。

 

あの時僕はモテなかった

 

この日以降も、僕はナンパは止めなかった。ありあまる性欲を処理するにはナンパしかなかったからだ。結果は以前と変わらず完全坊主の日々が続いた。しかし、以前よりも変わった点があった。

 

それは連れ出しに成功した時、居酒屋でよーく目を凝らして相手が楽しんでいるのか、食い逃げしようとしているのかどっちなのかを注意深く観察するようになった事だ。万引きGメンも真っ青の僕の観察眼はこの頃に養われたのだ。

 

非モテ男性諸君たちよ、非モテ男は浮かれていると思いっきり女性に搾取される。

ヘラヘラしていると何の前触れもなくいきなり横っ面をはたかれるぞ。

常にガードは上げておこう。

 

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僕のこの失敗が、非モテに悩む男性諸君の一助になれば幸いだ。

 

おわり

 

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